ロシアからドイツに天然ガスを送る主要なパイプライン「ノルドストリーム」は、11日から定期的な点検を理由に供給を停止しました。
ロシア側が経済制裁を科すドイツに揺さぶりをかけるため、点検終了後も供給を再開しないのではないかとの懸念が広がっています。
ノルドストリームはロシアからバルト海の海底を通ってドイツにつながる現在、ヨーロッパ最大規模の天然ガスパイプラインです。
このパイプラインを運営するロシアの国営ガス会社ガスプロムは、11日から定期的な点検を理由にロシアからドイツに向けた天然ガスの供給を停止しました。
点検は今月21日までの予定だとしています。
このパイプラインを巡っては、先月、ロシアからの供給量がおよそ60%削減されました。
ドイツ政府は暖房需要が増える冬に向けて十分な量を備蓄できないとして、国民や企業にガスの節約を求める異例の事態となっています。
こうしたことから、今回の定期点検についてもロシア側が経済制裁を科すドイツに揺さぶりをかけるため、点検終了後に供給を再開しないのではないかとの懸念がドイツでは広がっています。
ドイツ政府の担当者は、11日の定例の会見でパイプラインの点検について「本来は再開されるものだが、どうなるか予測はできない」と述べるにとどめました。
ドイツはエネルギーの脱ロシアを進めていますが、天然ガスの輸入に占めるロシア産の割合はことし4月時点で依然、35%を占めています。
-- NHK NEWS WEB