ロシア軍が侵攻を続けるウクライナでは、西部の町の中心部がミサイル攻撃を受け、子どもを含む少なくとも23人が死亡し、行方不明者の捜索が続いています。
ロシア軍は東部や南部でも都市部に対して組織的にミサイル攻撃を行っていると指摘され、市民の犠牲が拡大することが懸念されます。
ウクライナ西部のビンニツァ州では14日、町の中心部がロシア軍のミサイルによる攻撃を受け、ウクライナの非常事態庁は、子ども3人を含む少なくとも23人が死亡したと発表しました。
ゼレンスキー大統領は「残念ながら行方不明者が何十人もいると報告されている。ロシアをテロ国家と正式に認めなければならないことが、改めて証明された」と強く非難しました。
この攻撃について、アメリカのシンクタンク「戦争研究所」は14日、ロシア軍が潜水艦から巡航ミサイル「カリブル」を発射したとするウクライナ側の分析を紹介したうえで、「ロシアは、東部のハルキウ市や南部のミコライウ市でも都市の住宅地への組織的なミサイル攻撃を続けている」と指摘しています。
これに対してロシア国防省のコナシェンコフ報道官は15日「カリブル」での攻撃だったと認めたうえで「ウクライナ軍の駐屯地にある幹部の住居を攻撃した。軍の幹部と外国の兵器会社の代表者が兵器供与について会議を開いていて、参加者を排除した」などと主張しています。
また、ロシア軍が掌握を目指すドネツク州の状況について分析しているイギリス国防省は15日、ロシア軍がウクライナ軍の拠点のスロビャンシクとクラマトルシクを攻略するため、東側からゆっくりと進軍させ、まずは周辺の町の掌握を目指しているという見方を示しています。
一方、ウクライナ軍がロシア側から奪還した黒海の拠点のズミイヌイ島について、イギリス国防省は「ロシア側は、ウクライナがこの島を拠点とするのを阻止しようとしているが、ロシア軍の戦闘機は攻撃に失敗した」と指摘しています。
ウクライナ政府はズミイヌイ島を奪還したことで、ドナウ川沿いにある港から黒海を抜けて農作物を輸出するルートが開放されたとしていますが、この島をめぐってもロシアとウクライナの間で激しい攻防が続いているものとみられます。
-- NHK NEWS WEB