韓国の新しい駐日大使のユン・ドンミン(尹徳敏)氏が16日着任し、太平洋戦争中の「徴用」をめぐる問題について「現在もっとも大きな懸案だ。日本企業の資産が現金化される問題が非常に差し迫っている」と述べ、早期の解決が重要だという認識を示しました。
韓国の新しい駐日大使のユン・ドンミン氏は16日午前、羽田空港に到着し、記者団の取材に応じました。
この中でユン氏は「ユン・ソンニョル(尹錫悦)大統領からきのうも指示があり、『日本との関係を一日でも早く、最もよかった時期に戻したい』という強い意志を表明していた。私も全力を尽くしたい」と述べ、冷え込んでいる日韓関係の改善に意欲を示しました。
そのうえで太平洋戦争中の「徴用」をめぐる問題について「現在、最も大きな懸案だ。韓国の最高裁判所の判決によって、日本企業の資産が現金化される問題が非常に差し迫っている」と述べ、早期の解決が重要だという認識を示しました。
ユン氏は1991年に慶應義塾大学で博士号を取得し、日本語が堪能で、日韓関係や安全保障の分野に精通した「知日派」として知られています。
また韓国外務省傘下のシンクタンク、国立外交院のトップを務め、ことし3月の大統領選挙では「外交ブレーン」の1人としてユン・ソンニョル陣営に加わりました。
さらにユン氏は核・ミサイル開発を加速させる北朝鮮への対応について、「韓国と日本は抑止力としてアメリカの核の傘に頼っている。北朝鮮の完全な非核化のために、韓国と日本が同じ立場から連携することが必要だ」と述べ、日本との協力を強化していく考えを強調しました。
-- NHK NEWS WEB