ウクライナでは、西部の町で巡航ミサイルにより子どもを含む23人が死亡するなど、ロシア軍の攻撃が続いています。一方、ロシア国防省は食料を輸送するルートを黒海に確保する方向で、関係国との協議が大詰めを迎えていると明らかにし、ウクライナの小麦などの輸出再開につながるか、注目されます。
ウクライナ西部のビンニツァ州では14日、町の中心部がロシア軍のミサイルによる攻撃を受け、ウクライナの非常事態庁は、子ども3人を含む23人が死亡したと発表しました。
ゼレンスキー大統領は「残念ながら行方不明者が何十人もいると報告されている。ロシアをテロ国家と正式に認めなければならないことが、改めて証明された」と強く非難しました。
これに対し、ロシア国防省は15日、巡航ミサイル「カリブル」で攻撃したとしたうえで「ウクライナ軍の駐屯地にある幹部の住居を攻撃した。軍の幹部と外国の兵器会社の代表者が兵器供与について会議を開いていた」と主張し、攻撃を正当化しています。
一方、ロシア軍による封鎖で、黒海に面するウクライナ南部の港からの小麦などの輸出が滞っている問題で、ロシアとウクライナは、仲介役のトルコと国連を交えて、来週、再び協議を行う予定です。
これについて、ロシア国防省のコナシェンコフ報道官は15日「ロシアは、外国に食料を輸送する手段を確保するとともに、輸送ルートが、ウクライナへの兵器供与に利用されないようにすることを提案した」と述べました。
そして「ロシアの提案は大部分が支持されていて、合意文書の起草作業はまもなく完了する」と述べ、食料を輸送するルートを黒海に確保する方向で、関係国との協議が大詰めを迎えていると明らかにしました。
来週19日には、トルコのエルドアン大統領も、ロシアのプーチン大統領と会談して直接、働きかける見通しで、国際的に食料危機への懸念が強まる中、ウクライナの小麦などの輸出再開につながるか、注目されます。
-- NHK NEWS WEB