「京都アニメーション」のスタジオが放火され、社員36人が死亡、32人が重軽傷を負った事件から18日で3年です。
殺人や放火などの罪で起訴された被告の裁判は始まる見通しが立っておらず、遺族の中からは手続きの長期化を懸念する声も出ています。
3年前の7月18日、京都市伏見区にある「京都アニメーション」の第1スタジオが放火され、社員36人が亡くなり、32人が重軽傷を負いました。
この事件で殺人や放火などの罪で起訴された青葉真司被告(44)の裁判員裁判は、事前に争点などを話し合う手続きの1回目の期日も決まっておらず、始まる見通しが立っていません。
弁護側の請求で去年秋ごろから、被告の2度目の精神鑑定が行われたあと、裁判に向けた手続きはあまり進んでいないとみられ、関係者からは「裁判が始まるのは早くても来年以降になるのではないか」という見方も出ています。
事件で亡くなったアニメーターの高齢の遺族は「裁判まで長引くのはしかたがないが、このままだと生きているうちに判決が出るかどうか分からず、早く始めてほしいという気持ちがあります。なぜ事件が起きたのかいきさつを知りたい思いがある一方、36人の命がかえってくるわけでもないので傍聴に行くかどうかは決めていません」と話していました。
また、別の高齢の遺族も「自分が元気なうちになぜ事件を起こしたのか被告から聞きたいので、早く裁判を始めてほしい」と話していました。
18日、現場のスタジオ跡地では、事件の発生時刻に合わせて遺族や会社の関係者が出席して、追悼の式典が開かれる予定です。
新型コロナの感染対策などで一般の人たちには現場周辺を訪れないよう呼びかけていて、かわりに午前10時半から10分間、「YouTube」の京都アニメーションの公式チャンネルで、追悼のための映像を配信することにしています。
-- NHK NEWS WEB