中国政府は国内の製薬会社が開発した新型コロナワクチンについて、習近平国家主席をはじめとする世界の30余りの国の指導者が接種していることを明らかにしました。中国国内でもオミクロン株の「BA.5」の感染が確認される中、国民にワクチン接種を促すねらいがあるものと見られます。
中国の保健当局の幹部は23日に行った記者会見で「わが国の党と政府の指導者は全員、国産ワクチンを接種している」と述べ、習近平国家主席を含む中国の指導者たちが、国内の製薬会社が開発した新型コロナワクチンを接種していることを明らかにしました。
さらに、30余りの国の指導者も率先して中国のワクチンを接種したとして「わが国のワクチンは国際社会に広く認められている」と強調しました。
中国の保健当局は、3回目のワクチン接種を受けた人が国民の71%に上る一方、60歳以上で67%、80歳以上では38%にとどまり、高齢者の接種率の低さが課題だとしています。
中国では、今月に入って感染力がより強いとされるオミクロン株の「BA.5」の感染者が首都・北京や上海など各地で確認されています。
中国政府としては、感染を徹底して抑え込む「ゼロコロナ」政策を堅持する中、国内外の指導者が中国のワクチンを接種していると強調することで、国民にワクチン接種を促すねらいがあるものと見られます。
-- NHK NEWS WEB