東京 池袋の暴走事故で妻と娘を亡くした松永拓也さんなど交通事故の遺族でつくる団体が、事故の民事裁判について「保険会社側の対応で被害者や遺族が再び傷つくことがある」として、改善を求める意見書を金融庁などに提出しました。
要望を行ったのは「関東交通犯罪遺族の会」で、26日、松永拓也さんなどが金融庁を訪れました。
交通事故の損害賠償を求める民事裁判では、相手が任意保険に加入している場合、事実上、保険会社と争うことになります。
団体によりますと、裁判での保険会社側の対応について「『助かるはずがなかった』と医療費の支払いを拒絶された」とか、「ショックから立ち直るのに時間がかかったのに、『遅延金目当てで提訴を遅らせた』と主張され、改めて深く傷ついた」といった声が、遺族や被害者から毎年20件以上寄せられているということです。
意見書では「裁判での反論や主張は当然の権利だが、必要な反論を逸脱した主張や遺族などの尊厳を踏みにじる言動もある」として、保険会社への徹底した指導や、ガイドラインの策定などを金融庁や業界団体に求めています。
面会した鈴木金融担当大臣は「社員教育の徹底や保険会社側の弁護士と被害者のコミュニケーションの向上を呼びかけている」などと述べたということです。
松永さんは「愛する人を亡くしたり、体や心が傷ついたりした人が再び傷つくようなことがなくなってほしい」と話していました。
-- NHK NEWS WEB