アメリカのことし4月から6月までのGDP=国内総生産の伸び率は年率に換算してマイナス0.9%で、2期連続のマイナスとなりました。記録的なインフレを抑えこむための急ピッチの利上げによって住宅投資が大きく減少したことなどが主な要因です。
アメリカ商務省は28日、ことし4月から先月までのGDPの速報値を発表し、前の3か月と比べた実質の伸び率が年率に換算してマイナス0.9%となりました。
1月から3月もマイナス1.6%で、2期連続のマイナスとなります。
GDPの伸び率が2期連続でマイナスになるのは世界で新型コロナウイルスの感染が拡大し、経済が大きな打撃を受けた2020年1月から6月以来です。
これはロシアによるウクライナ侵攻などでインフレが加速する中、アメリカの中央銀行にあたるFRB=連邦準備制度理事会がインフレを抑えこむため急ピッチの利上げを進めたことが大きな要因です。
内訳では、住宅投資が前の期のプラス0.4%からマイナス14%になったほか、企業の設備投資も前の期・プラス10%からマイナス0.1%になりました。
さらにこれまで堅調だった個人消費は前の期の1.8%から1%へと、伸びが大きく鈍化しました。
FRBの利上げによる影響が鮮明になるなか、景気後退を招かずにインフレを抑えこむことができるか、アメリカは難しい政策対応を迫られることになります。
-- NHK NEWS WEB