ウクライナ南部の港から小麦などの輸出が滞っていた問題で、穀物を積んだ最初の船が南部オデーサから出港しました。ただ、ロシア軍は1日もオデーサ近郊を攻撃したと発表するなど、南部でも攻勢を強めるなか、今後も輸出がスムーズに続くかが焦点です。
ロシア軍による封鎖で黒海に面するウクライナの港から小麦などの輸出が滞っている問題をめぐり、ウクライナのクブラコフ・インフラ相は1日、穀物を積んだ最初の船が南部オデーサの港を離れたと明らかにしました。
トルコ国防省によりますと、最初の船は、トウモロコシを積み、中東のレバノンに向かうということです。
これについてロシア大統領府のペスコフ報道官は1日「最初の船が出港したことは非常に前向きなことだ」と述べ、合意が実行されたことを評価する一方で「すべての合意が履行されるのを望む」とも強調し、欧米の制裁で止まっていると主張しているロシアからの農産物も輸出できることになるのか注視する考えを示しました。
こうしたなか、ロシア国防省は7月31日、南部ミコライウ州などで空爆を行い、ウクライナ側は、大手穀物輸出企業の経営者夫妻がミコライウ市内の自宅で砲撃により死亡したと明らかにしています。
ゼレンスキー大統領は「戦争の全期間を通じて、ミコライウ市と州に対する最も残忍な砲撃の1つが行われた。世界の食料安全保障を支えてきたのは、まさにこのような人々や企業だ」と述べ、ロシアを強く非難しました。
また、ロシア国防省は1日、オデーサ近郊の村を攻撃し、アメリカの対艦ミサイル「ハープーン」を破壊したと発表しました。
ロシア軍は、ウクライナ産の小麦などの輸出再開に向けてウクライナ側と合意した翌日となる7月23日にもオデーサを攻撃するなど南部でも攻勢を強めるなか、今後も輸出がスムーズに続くかが焦点です。
-- NHK NEWS WEB