高齢者によるアクセルとブレーキの踏み間違え事故が相次ぐ中、国土交通省は、誤ってアクセルを踏んでも急発進させない装置の普及を促すため、新たに装置の安全性の評価を始める方針を固めました。
警察庁によりますと、おととしまでの5年間で、アクセルとブレーキの踏み間違えによる死亡事故は、合わせて226件に上り、トライバーが75歳以上の事故が109件と、半数近くを占めています。
先月も大阪で、80歳の男性が車を止めようとして建物に衝突し、2人がけがをしたほか、今月は愛媛県で、77歳の男性が運転する車が店に突っ込んで2人がけがをするなど、踏み間違いによる事故は、後を絶ちません。
各自動車メーカーは誤ってアクセルを踏んでも、レーダーやカメラで障害物を検知して、エンジンの出力を自動で抑え、急発進を防止する装置の開発を進めてきましたが、搭載された車は、おととしに販売された新車の36%にとどまっています。
このため、国土交通省は再来年度から、車種ごとに搭載した装置について、安全性の評価を始める方針を固めました。
国土交通省は今後、有識者による会議を設けて具体的な評価方法を検討していく方針で、国が装置を評価することで、消費者に有効性を伝え、普及の促進を図りたい考えです。
-- NHK NEWS WEB