韓国のパク・クネ(朴槿恵)前大統領は、サムスングループから賄賂を受け取った疑いなど一連の事件をめぐる事情聴取に応じるため、21日午前、検察に出頭する見通しです。初めて事情聴取に応じるパク氏は、容疑を全面的に否認するものと見られます。
韓国のパク前大統領は、今月10日に憲法裁判所の決定によって罷免され、刑事訴追されない特権がなくなりました。
これを受けて、検察は一連の事件をめぐる任意の事情聴取を行うため、パク氏に21日午前9時半に、ソウル中央地方検察庁に出頭するよう求めています。
パク氏の弁護士は「特別な事情がないかぎり、積極的に捜査に協力する」としていて、パク氏は21日、初めて検察の事情聴取に応じる見通しです。
検察によりますと、パク氏は長年の知人、チェ・スンシル(崔順実)被告と共謀して、最大の財閥、サムスングループから約束分も含めて、43億円余りの賄賂を受け取った収賄の疑いや、チェ被告が深く関わる2つの財団に資金を拠出するよう、企業に圧力をかけた職権乱用と強要の疑いなど、合わせて13の容疑が持たれています。
パク氏は、これまで弁護士やメディアを通じて一連の事件への関与を否定し、大統領府から去った際には「時間はかかるだろうが、真実は必ず明らかになると信じている」とするコメントを発表しています。このため、21日の事情聴取でも、改めて容疑を全面的に否認するものと見られ、聴取は長時間に及ぶ可能性があります。
一方、パク氏を支持する保守派の人たちは憲法裁判所の決定だけでなく、検察の捜査にも強く反発していて、警察は21日の聴取をめぐり、衝突や混乱が起きないよう、検察庁の周りで厳しい警備態勢を取ることにしています。
-- NHK NEWS WEB