アメリカのトランプ前大統領は、10日、就任前に経営していた不動産会社の金融取引に関して調査を行っているニューヨーク州の司法長官の事務所に出向きました。一方で、「質問に答えることを拒否する」とする声明を発表し、黙秘する意向を明らかにしました。
ニューヨーク州のジェームズ司法長官は、トランプ氏が大統領に就任する前に経営していた不動産関連の企業「トランプ・オーガニゼーション」が不正な金融取引を行っていたという疑惑をめぐり3年前(2019)から調査を進めていて、これまでトランプ氏とその家族に召喚と法廷での証言を求めてきました。
これに対し、トランプ氏らは何度も異議を申し立ててきましたが、10日、その求めに応じ、トランプ氏が司法長官の事務所に出向きました。
事務所に到着したトランプ氏は、呼びかけに対して親指を立てたり、拳を突き上げたりしながら建物の中に入っていきました。
しかし、その直後、ソーシャルメディアで「合衆国憲法の下ですべての市民に与えられている権利と特権に基づき、私は質問に答えることを拒否する」という声明を発表し、自分に不利な証言を強制されない権利を認めた憲法修正第5条に基づき、黙秘する意向を明らかにしました。
トランプ氏をめぐってはさまざまな疑惑について捜査や調査が進められており、8月8日にはFBI=連邦捜査局が自宅に捜索に入っていました。
-- NHK NEWS WEB