世界的な投資家として知られるサウジアラビアの王族の1人が経営する投資会社が、ロシアのエネルギー大手3社に、ことし2月から3月にかけて、日本円で合わせておよそ700億円の投資を行ったことがわかりました。
ウクライナへの軍事侵攻を続けるロシアと、石油生産を通して関係を維持するサウジアラビアの姿勢が、かいま見えた形です。
サウジアラビアの大富豪ワリード・ビン・タラール王子が会長をつとめる投資会社は14日、過去3年間に投資した企業のリストを公表しました。
それによりますと、投資会社は、ことし2月から3月にかけて、ロシアのエネルギー大手3社に、日本円にして合わせておよそ700億円の投資を行っています。
内訳では、政府系ガス会社ガスプロムにおよそ487億円、国内第2位の石油会社ルクオイルにおよそ146億円、国内最大の石油会社ロスネフチにおよそ70億円となっています。
ウクライナへの軍事侵攻を続けるロシアに対しては、欧米諸国が主要な収入源の石油の輸出に打撃を与えようと、経済制裁を科していますが、サウジアラビアは「OPECプラス」と呼ばれる原油の生産調整のグループで、ロシアと協力関係にあります。
王族が政府の主要ポストを握るサウジアラビアでは、大手の民間企業は政府の影響下にあると言われていて、ロシアと石油生産を通して関係を維持するサウジアラビアの姿勢がかいま見えた形です。
-- NHK NEWS WEB