東京オリンピック・パラリンピックのスポンサー契約をめぐって組織委員会の元理事が紳士服大手の「AOKIホールディングス」側から賄賂を受け取ったとして逮捕された事件で、AOKI側は少なくとも5年前から元理事に便宜を図ることを依頼するようになり、その数か月後に、元理事の会社とコンサルティング契約を結んでいた疑いがあることが関係者への取材で分かりました。特捜部はAOKI側がコンサルタント料の名目で元理事に賄賂を提供していたとみて詳しい経緯を調べています。
東京オリンピック・パラリンピック組織委員会の元理事の高橋治之容疑者(78)は、AOKIホールディングス前会長の青木拡憲容疑者(83)ら3人から大会のスポンサー契約などに関し総額5100万円の賄賂を受け取ったとして17日、受託収賄の疑いで東京地検特捜部に逮捕されました。
AOKI側は5年前の2017年9月に高橋元理事の会社とコンサルティング契約を結び、毎月50万円から100万円を支払っていたことがわかっています。
青木前会長らは少なくともこの契約の数か月前から元理事にスポンサー契約に関して便宜を図るよう依頼していた疑いがあることが関係者への取材で新たにわかりました。
前会長らはその後も去年6月頃までたびたび元理事と接触し、AOKIが製造・販売する公式ライセンス商品について、組織委員会の審査を早めることなどを要望していた疑いがあるということです。
特捜部はAOKI側が便宜を受けた謝礼などとしてコンサルタント料の名目で元理事に継続的に賄賂を提供していたとみて詳しい経緯を調べています。
特捜部は逮捕された4人の認否を明らかにしていませんが、関係者によりますと、高橋元理事は逮捕前の調べに対し、不正を否定していたということです。
-- NHK NEWS WEB