ブラジルの食肉加工業者が衛生基準を満たしていない食肉などを販売していたとされる問題で、農林水産省と厚生労働省は、ブラジルの捜査当局から捜索を受けた2社からの食肉の輸入手続きを21日から検疫の段階でいったん止める「保留」の措置を取り、日本国内に流通しないようにしています。
農林水産省によりますと、ブラジルは日本にとって鶏肉の主な輸入先で昨年度(H27年度)の輸入量は42万6000トンで鶏肉の輸入量全体のおよそ8割を占めています。
日本では鶏肉の消費量のおよそ3割を輸入に頼っているということですが、農林水産省は「今のところ鶏肉は国内に在庫があるため、直ちに大きな影響が出ることはないと見ている。ただ、今後、影響が広がらないかどうかブラジルでの捜査の状況など情報収集を進めていきたい」としています。
一方、大手商社の三菱商事によりますと、食肉の輸入手続きで「保留」の措置を受けたブラジルの2社のうち、1社と取り引きがあるということです。このため三菱商事は現在、現地からの情報収集を進めるとともに、輸入量や国内の流通に対する影響などについて調査しているとしています。
-- NHK NEWS WEB