熊本市のワクチンメーカー、KMバイオロジクスは開発中の新型コロナウイルスのワクチンについて来月、国に承認申請するとしていましたが、臨床試験の最終的なデータがそろうのを待つため、申請が12月以降に延期されることになりました。
KMバイオロジクスが開発を進めている新型コロナのワクチンは、国内で実用化されているものとは異なり、ウイルスの毒性をなくした「不活化ワクチン」というタイプです。
会社は先月、臨床試験の結果の速報値から十分な有効性が期待できるとして9月に国への承認申請を行うと発表し、申請に当たっては国の緊急承認の制度を活用するとしていました。
しかし、KMバイオロジクスとワクチンを共同開発している「Meiji Seika ファルマ」によりますと、同じ制度で塩野義製薬が承認を申請している新型コロナの飲み薬について先月、厚生労働省の審議会が「有効性が推定されるという判断はできない」などとして承認の判断を行わず、継続審議にしたことなどを受け、臨床試験の最終的なデータがそろわないと承認を得るのは難しいと判断したということです。
このため、ワクチンについて来月の承認申請を見送り、12月以降に延期するとしています。
一方で、年度内の供給開始を目指す方針は変わらないということです。
-- NHK NEWS WEB