韓国の検察は一連の事件をめぐり、21日午前からパク・クネ(朴槿恵)前大統領に対する事情聴取を続けています。検察は、21日夜遅くか22日未明まで事情聴取を行って、サムスングループから賄賂を受け取った疑いなどについて立証を目指しているのに対し、パク氏は全面的に否認していると見られます。
今月10日に罷免された韓国のパク・クネ前大統領は、一連の事件をめぐって検察の事情聴取に応じるため、21日午前9時15分ごろソウル市内の自宅を車で出発し、およそ10分後にソウル中央地方検察庁に到着しました。
そして、記者団の前で「国民の皆さんに申し訳なく思います。誠実に捜査に応じます」と述べたあと、検察庁に入りました。
事情聴取は、検察庁の10階にある取調室で午前9時35分ごろから始まり、途中、昼食や夕食をとるための休憩を挟みながら現在も続いています。聴取は検察官2人が行い、パク氏の弁護士も同席しているということです。
パク氏をめぐっては、長年の知人、チェ・スンシル(崔順実)被告と共謀して、最大の財閥サムスングループから約束分も含めて日本円で43億円余りの賄賂を受け取った収賄の疑いや、チェ被告が深く関わる2つの財団に資金を拠出するよう、企業に圧力をかけた職権乱用と強要の疑いなど、合わせて13の容疑が持たれています。
検察は、チェ被告やサムスンの事実上のトップから得た供述や、これまでに押収した資料などをもとに、さまざまな角度からパク氏に質問をして立証を目指しているものと見られます。
これに対しパク氏が具体的にどのような主張をしたのか、これまでのところ明らかになっていませんが、容疑を全面的に否認していると見られます。
検察は、21日夜遅くか22日未明には、事情聴取を終えてパク氏を帰宅させる方針で、21日の供述内容を踏まえて今後、逮捕状を請求するか、在宅起訴を目指すかを判断する見通しです。
-- NHK NEWS WEB