空の脱炭素化を進めるため、二酸化炭素の排出を大きく減らすとされる航空機の代替燃料「SAF」の国内での生産を目指し、環境省は実証事業を行う企業などを資金面で支援する方針を固めました。
「SAF」は植物や廃棄物などから作ったジェット燃料で、従来の燃料と比べて二酸化炭素の排出量を80%程度減らせるとされ、国は2030年までに国内の航空会社が使う航空燃料の10%をSAFに置き換えることを目標としています。
原料の安定的な調達や初期投資の費用などが課題で、国内では現在、本格的にはほとんど生産されていませんが、官民が連携し生産や供給の体制を整えようという動きが広がってきています。
こうした中、環境省は国内でのSAFの生産に向けた実証事業を支援していこうと、企業や研究機関などが行うSAFを生産するためのプラント整備や技術実証について資金面で支援する方針を固めました。
環境省は来年度予算案の概算要求にSAFへの転換など廃棄物や資源を循環させるシステム構築に向けた実証事業として50億円を盛り込む方針です。
世界的にSAFの需要が高まる中、環境省は国内での生産を後押しし、脱炭素化の動きを一層、加速させたいとしています。
-- NHK NEWS WEB