インフレが記録的な水準となっているイギリスで、バスの運転手や鉄道会社の従業員が賃上げなどを求めて大規模なストライキを行いました。こうした動きは多くの業界に広がっていて、来月発足する新政権にとって、インフレ対策は喫緊の課題となります。
イギリスでは先月の物価上昇率が10%を超える記録的なインフレとなっています。
首都ロンドンなどでは19日、バスの運転手や鉄道会社の従業員が賃上げと労働環境の改善を求め、先月に続いて大規模なストライキを行いました。
ロンドン西部にある車庫では、名物の2階建てバスなど数十台が並ぶ中、およそ50人が抗議の声を上げました。
参加した男性は「ガスや電気代など何もかもが値上がりしている。この賃金では暮らしていけない」と、不満をあらわにしていました。
労働組合のサイモン・マッカートニー支部長は、会社側からの賃上げの提示は3%程度にとどまっているとして「会社が交渉に応じるまで、ストライキを続ける」と強調しました。
また、鉄道関係者のストライキには合わせて1万人余りが参加し、地下鉄の路線の大半が運休したため、都心の商店などでは従業員が地下鉄で通勤できず、休業を余儀なくされたところもありました。
今月はこのほか、輸出入の拠点となっている東部のコンテナ港や郵便業界でもストライキが予定されていて、ジョンソン政権に代わって来月発足する新政権にとって、インフレ対策は喫緊の課題となります。
-- NHK NEWS WEB