特許権の侵害や企業買収などビジネスに関する訴訟や手続きを集中的に取り扱う裁判所、通称「ビジネス・コート」が全国で初めて東京・目黒区に開設され、ことし10月から業務を始めることになりました。
「ビジネス・コート」は、海外企業が関わるケースなど国際化や複雑化が進む企業間の紛争に対応しようと設けられ、特許や商標などを専門的に扱う知的財産高等裁判所と、株主代表訴訟や破産手続きなどを扱う東京地方裁判所の3つの部署が目黒区中目黒の新庁舎にまとめて移転し、開業します。
ビジネス分野に特化した裁判所は全国で初めてで、5階建ての建物には、18の法廷のほか、ウェブ会議専用のブースなど裁判のIT化に対応した設備も整備されます。
知的財産や経済紛争に詳しい裁判官や調査官に加え、弁理士や公認会計士などの「専門委員」が1か所に集まることで、より専門性の高い審理や迅速な解決につながることが期待されます。
東京地裁と知財高裁は「経済分野に関する司法インフラの整備は国際競争力にも関わる。得られた知見やノウハウを全国に共有していきたい」としています。
「ビジネス・コート」は10月11日から知財高裁、17日から東京地裁の商事部と知的財産権部、24日から倒産部が業務を始める予定です。
-- NHK NEWS WEB