おととし、日本航空の旅客機のエンジンが破損し那覇空港に緊急着陸したトラブルについて、国の運輸安全委員会はエンジン内部の羽根に付着した極めて小さな金属を起点に亀裂が入ったものの、定期検査が不十分で発見できずに「疲労破壊」が起きたと推定されるという調査報告書をまとめました。
おととし12月、日本航空のボーイング777型機が飛行中にエンジン内部の「ファンブレード」と呼ばれる羽根が折れたうえ、飛散した部品で尾翼に穴が開き、那覇空港に緊急着陸しました。
国の運輸安全委員会がまとめた報告書によりますと、羽根の製造工程で幅0.12ミリ、高さ0.07ミリの金属が中空構造の内部に付着したことでその部分がもろくなり、亀裂が入ったということです。
エンジンメーカーが行っていた定期検査で、亀裂が入った部分の欠陥を検出するには検査を行う間隔や手法が不十分だったため、発見できないまま運航が継続され疲労破壊が起きたと推定されるということです。
同じエンジンを搭載する機体では去年、アメリカでも同様のトラブルがあり、国土交通省は、この機体の運航停止を指示しましたが、検査間隔を短くしたり、検査方法を追加したりすることなどを条件にことし3月に運航再開を認めています。
こうした検査の強化について、運輸安全委員会は報告書で同じような亀裂の早期発見に効果があると考えられるとしています。
-- NHK NEWS WEB