新型コロナの影響で厳しい経営が続く、大手旅行会社のエイチ・アイ・エスは、資本金を1億円に減らす「減資」に踏み切ることを明らかにしました。資本金1億円以下の企業は税制上、中小企業とみなされるため、税負担を軽くすることなどがねらいです。
発表によりますと、エイチ・アイ・エスは、10月下旬に臨時の株主総会を開き株主の承認を得たうえで、資本金を今の247億円から1億円に減資するということです。
エイチ・アイ・エスは、新型コロナの影響で主力の海外旅行事業の回復が遅れたことなどから、ことし4月までの半年間の決算がこの時期としては過去最大の260億円余りの最終赤字に陥り、厳しい経営が続いていました。
こうした中、減資を行う理由について会社は、財務体質の健全化をはかるとともに税負担を軽くするためだとしています。
資本金1億円以下の企業は税制上、中小企業とみなされるため、新型コロナの影響で厳しい経営環境が続く観光関連の業界では、税負担の軽減を目的に同じように「減資」に踏み切る動きが相次いでいます。
一方、エイチ・アイ・エスは、長崎県にあるテーマパーク「ハウステンボス」の運営会社の株式を香港の投資会社に売却する方向で検討していて、これによって資金を確保し、財務状況を改善するねらいがあるとみられます。
-- NHK NEWS WEB