名古屋市の高速道路でバスが横転・炎上した事故から29日で1週間になります。
バスから最後に脱出したという男性がNHKの取材に応じ「運転手はぐったりして動かず、通路に倒れていた乗客の男性を助けようとしたが、火が燃え上がって黒煙が充満し、しかたなくその場を離れた。助けられず残念だった」などと、当時の状況を証言しました。
今月22日の午前10時すぎ、名古屋市北区の名古屋高速道路で、県営名古屋空港に向かっていたバスが分離帯に衝突して横転・炎上し、乗客と運転手合わせて8人のうち男性2人が死亡したほか、乗客6人と後続の車を運転していた男性の合わせて7人がけがをしました。
事故から1週間になりますが、バスから最後に脱出したという30代の会社員の男性がNHKの取材に応じ、当時の状況を証言しました。
男性は前から3列目辺りの右側の窓側席に座っていたということで、事故前の様子について「運転手におかしな感じはなくアナウンスの声も普通でした。運転がふらついている印象もなく衝突するまで異変は感じませんでした」と話しました。
そして事故の瞬間について「何が起きたのか分かりませんでした。しがみついて放り出されずに済んだのですが、しばらく動けませんでした」と振り返りました。
バスから脱出したのは男性が最後だったと言い「運転手はぐったりして動きませんでした。近くの通路で倒れている乗客の男性がいて助けようとしましたが、意識がなく全然動けませんでした。そのうち火がついて燃え上がって黒煙が充満しました。『早く逃げろ!死ぬぞ!』という声がして、しかたなくその場を離れました。助けられず残念でした」と話し、バスの運行会社に対し二度と事故が起きないよう安全管理の徹底を求めていました。
警察は乗客や目撃者から話を聞いたり改めて現場検証を行ったりして事故の原因を詳しく調べることにしています。
-- NHK NEWS WEB