韓国の検察は、最大の財閥サムスングループから賄賂を受け取った疑いなどで、21日から22日朝にかけて行ったパク・クネ(朴槿恵)前大統領に対する事情聴取を踏まえ、パク氏の逮捕状の請求に踏み切るのかどうか、ことし5月の大統領選挙に及ぼす影響なども考慮しながら慎重に検討する見通しです。
韓国のパク・クネ前大統領に対する初めての事情聴取は、ソウル中央地方検察庁で、21日午前9時半すぎから始まり、食事をとるための休憩などを挟みながら21時間以上にわたって続き、22日朝7時前に終了しました。
このあとパク氏は無言で車に乗り込み、警察車両などに警護されてソウル市内の自宅に戻ると、韓国の国旗を手に夜を徹して待ち受けた支持者たちに笑顔を見せ、家の中に入りました。
パク氏は、チェ・スンシル(崔順実)被告と共謀して、最大の財閥サムスングループから約束分も含めて日本円で43億円余りの賄賂を受け取った収賄の疑いや、チェ被告が深く関わる2つの財団に資金を拠出するよう企業に圧力をかけた職権乱用と強要の疑いなど、13の容疑が持たれていますが、今回の聴取では全面的に否認したものと見られます。
検察は、供述内容を踏まえて、パク氏の逮捕状の請求に踏み切るのか、それとも在宅起訴にとどめるのか、ことし5月の大統領選挙に及ぼす影響なども考慮しながら慎重に検討する見通しです。
一方、22日付けの韓国の主要な新聞は、パク氏が検察に出頭した際の写真を1面に掲載し、大々的に伝えています。このうち、有力紙の「中央日報」は、「パク氏を逮捕するか否かは、真相究明に協力する誠実さがあるのかどうかを基準にすべきだ」と指摘したほか、別の有力紙「東亜日報」は、「大統領経験者が国の品格をおとしめることが、繰り返されてはならない」と強調しました。
-- NHK NEWS WEB