幅広い産業の取り引き価格の目安となる鉄鋼製品の価格交渉で、トヨタ自動車と日本製鉄は、このおよそ10年で最大となる値上げを行うことで合意しました。今後、鉄鋼製品を材料に使うさまざまな製品の価格に波及するものとみられます。
関係者によりますと、トヨタ自動車と日本製鉄は、今年度下半期の自動車向け鉄鋼製品の価格交渉で、1トン当たりおよそ4万円価格を引き上げることで合意しました。
上半期と比べて2割から3割の大幅な値上げとなり、値上げ幅は2010年度以降で最大となります。
ロシアのウクライナへの軍事侵攻などを背景に、鉄鉱石や石炭などの原料が高騰していることが理由で、原材料価格の値上げが一段と進んでいることが大きく影響しています。
業界最大手の両社の価格交渉は、自動車メーカーだけでなく、電機メーカーなど幅広い産業の取り引き価格の目安となっていることから、鉄鋼製品を材料に使うさまざまな製品の値上げに波及するものと見られます。
一方、自動車業界では、三菱自動車工業やマツダが、すでに一部の車種について値上げすることを決めていますが、トヨタは、国内では値上げをしておらず、今後、新車の販売価格にも影響する可能性もあります。
-- NHK NEWS WEB