世界的な熱波や豪雨などで気候変動への対応が課題となる中、アメリカのスタンフォード大学は、環境に特化した新たな学部を設け「グリーンテック」と呼ばれる気候変動対策に向けた技術開発や人材育成を目指すことになりました。
アメリカ西部・カリフォルニア州のシリコンバレーにあるスタンフォード大学に1日に設立されるのは「グリーンテック」と呼ばれる気候変動対策に向けた技術開発や人材育成を目指す学部です。
環境に特化した学部の新設はアメリカでも珍しく、スタンフォード大学に新たな学部ができるのは、およそ70年ぶりです。
大学によりますと、エネルギー技術のほか、食料や水の安全保障、それに持続可能な都市の在り方などについて学ぶことができるということです。
設立にあたっては、グーグルなどに投資してきた著名投資家、ジョン・ドーア氏が、11億ドル、日本円でおよそ1500億円を寄付したため、学部名にドーア氏の名前が盛り込まれています。
アメリカでは、アマゾンの創業者、ジェフ・ベゾス氏や、マイクロソフトの創業者、ビル・ゲイツ氏なども気候変動対策に巨額の寄付をすることで知られていて、この分野から次世代を担うIT大手が生まれるのではないかとも目されています。
ドイツの調査会社によりますと、グリーンテック分野の世界の市場規模は、2030年には4170億ドル、日本円でおよそ57兆円に達すると予想されていて、シリコンバレーにある大学で研究や人材育成が進むことで市場がさらに活性化されるか、注目されます。
-- NHK NEWS WEB