視覚障害のある人が、駅のホームから転落する事故が相次いでいることを受け、首都圏の鉄道各社は、障害者がホームの端を歩くなど、危険が迫っている時には、乗客にも積極的に声を掛けてもらおうと呼びかけるキャンペーンを始めました。
キャンペーンは、ことし8月に東京メトロ銀座線の駅で、視覚障害のある男性が線路に転落して死亡するなど、障害者がホームから転落する事故が相次いでいることを受け、JR東日本や東京メトロなど首都圏の鉄道会社13社が、25日から始めました。
25日はJR新宿駅に各社の駅員が集まり、駅の利用者に「危険を感じたらすぐ呼びかけを」などと書かれたポケットティッシュを配り、障害者がホームの端を歩くなど危険が迫っているのを見かけた際には、積極的に声を掛けるよう呼びかけました。
一方、鉄道各社は職員に対し「白いつえを持ったお客様、止まってください」などと声を掛けられた人に、自分のことだと気付いてもらうため、個人を特定して呼びかけるよう指導しているということです。
国土交通省によりますと、平成26年度に全国でホームから転落したケースは3673件に上り、このうち視覚障害者の転落は80件でした。
JR東日本サービス品質改革部の鈴木寛幸課長「こうした呼びかけを継続することで、利用者の間で声を掛け合うことが浸透してほしい」と話しています。
-- NHK NEWS WEB