韓国のパク・チン(朴振)外相は、太平洋戦争中の「徴用」をめぐる裁判の原告と面会し、問題の早期解決に向けて取り組む姿勢を強調しました。事態打開に向け、当事者の意見を丁寧に聞く姿勢を示した形です。
「徴用」をめぐる問題では、韓国の最高裁判所が2018年、三菱重工業に対し「女子勤労てい身隊」として、戦時中に過酷な労働を強いられたと訴えた原告側への賠償を命じる判決を言い渡し、賠償にあてるため資産を売却する「現金化」に向けた司法手続きが進められています。
こうした中、韓国のパク・チン外相は、南西部のクワンジュ(光州)を訪れ、就任後初めて、裁判の原告と面会しました。
原告の1人、ヤン・クムドク(梁錦徳)さんの自宅では、ヤンさんが、「三菱重工業が謝罪してお金を出すべきだ」などとする手紙を渡すと、パク外相は、「この問題の合理的な解決案を用意したい」と応じました。
面会後、パク外相は記者団に、「日本側にありのままに伝える。これを土台に『徴用』の問題を最大限早く解決するよう努力する」と述べました。
日韓関係の改善に意欲を示すユン・ソンニョル(尹錫悦)政権は、「現金化」の前に問題を解決したい意向で、事態打開に向け、当事者の意見を丁寧に聞く姿勢を示した形です。
一方、日本政府は、問題は1965年の日韓請求権協定に基づき解決済みで、日本企業に賠償を命じた判決と、関連する司法手続きは国際法違反だとして、韓国政府に是正を求めています。
-- NHK NEWS WEB