ロシアの政府系ガス会社は、ドイツ向けの天然ガスパイプライン、ノルドストリームを通じたガスの供給について、点検中に油漏れが見つかったため修理を終えるまで輸送を停止すると発表しました。
3日に予定されていたガスの供給再開の見通しが一転して立たなくなったことで、ヨーロッパ各国の間で再び懸念が高まりそうです。
ロシアとドイツを結ぶヨーロッパ最大規模の天然ガスパイプライン、ノルドストリームについて、ロシアの政府系ガス会社ガスプロムは、設備の点検を理由に先月末から供給を停止しています。
ガスの供給は、3日に再開される予定でしたが、ガスプロムは2日、SNSで画像とともに「点検中に油漏れが見つかった」としたうえで「必要な修理を終えるまで輸送を完全に停止する」と発表しました。
供給再開の時期は明らかにしていません。
ヨーロッパ各国は、ウクライナ情勢をめぐって欧米と対立するロシアがエネルギーを武器に揺さぶりをかけていると警戒を強めていただけに、供給再開の見通しが一転して立たなくなったことで、再び懸念が高まりそうです。
ロシア側の発表を受けて、ドイツのエネルギー規制当局、連邦ネットワーク庁のミュラー長官は、ツイッターに「国内のガスの貯蔵率や節約の重要性が増す」と投稿し、供給停止の長期化に備えて国民に協力を呼びかけました。
-- NHK NEWS WEB