ロシアからドイツ向けの天然ガスパイプライン、ノルドストリームは今月3日にガスの供給の再開を予定していましたが、油漏れを理由に供給の停止が続くことになりました。ヨーロッパ側では停止は長期化するとの見方も出ていて、エネルギー価格の高騰など影響が懸念されています。
ロシアの政府系ガス会社ガスプロムは2日、ロシアとドイツを結ぶヨーロッパ最大規模の天然ガスパイプライン、ノルドストリームについて、先月末から行っていた点検で油漏れが見つかったとして再開を予定していた3日以降も輸送を停止すると発表しました。
一方、共同で点検を行ったドイツの会社は「輸送の停止の理由となる問題ではない」としてガスプロム側の説明に疑問を呈しています。
ロシア側はこれまでもパイプラインを通じたガスの供給量を大幅に減らしていて、ロシアへの制裁を続けるヨーロッパ側はロシアがエネルギーを武器に揺さぶりをかけているとして警戒を強めています。
現地では、ガスの輸送停止が長期化するとの見方も出ていて、ベルリンの市民からは「ガスを使った脅迫だ。私たちの暮らしを壊そうとしている」とか「ガス価格が上がるので節約するようにする」といった声が聞かれました。
ヨーロッパ各国はロシアからのガスの減少に備え節約を呼びかけていますが、暖房などで消費が増える冬に向け十分な量を確保できるかやエネルギー価格の高騰など影響が懸念されています。
-- NHK NEWS WEB