ロシアからドイツ向けの天然ガスの供給が大幅に減り、ヨーロッパでエネルギー価格をはじめ物価の高騰が懸念されるなか、ドイツのショルツ首相は、国民の負担を減らすため日本円にしておよそ9兆円の支援策をまとめました。
ロシアがことし2月、ウクライナに軍事侵攻したあと、ドイツなどヨーロッパではロシア産の天然ガスを輸送する主要なパイプライン、ノルドストリームを通じたガスの供給が大幅に減り、エネルギー価格が高騰しています。
さらにロシア側は、先月末からノルドストリームを点検した結果、問題が見つかったとして輸送の再開を見送り、供給停止が長期化することも懸念されています。
こうした中、ドイツのショルツ首相は4日、首都ベルリンで記者会見し、エネルギー価格をはじめとする物価の高騰に国民が不安を抱いているとして、650億ユーロ、日本円にしておよそ9兆円の支援策をまとめたと発表しました。
支援策には、年金受給者や学生を対象とした一時金のほか、電気代の一部の減額などが盛り込まれています。
ショルツ首相は会見で、ガスの需要が増える冬を前に対策をとったことを強調し「もはやロシアは信頼できるエネルギー供給国ではない」と非難しました。
そのうえで「われわれは冬を乗り越えられる」と述べ、国民に結束を呼びかけました。
-- NHK NEWS WEB