東京オリンピック・パラリンピックのスポンサー契約をめぐる贈収賄事件で、大会スポンサーだった出版大手KADOKAWAの元専務ら2人がスポンサー選定などで便宜を受けたことへの謝礼などとして、組織委員会の元理事におよそ6900万円の賄賂を提供していたとして、新たに贈賄の疑いで東京地検特捜部に逮捕されました。
元理事は受託収賄の疑いで再逮捕されました。
贈賄の疑いで逮捕されたのは、
▼出版大手、KADOKAWA元専務の芳原世幸容疑者(64)と
▼担当室長だった馬庭教二容疑者(63)の2人です。
また受託収賄の疑いで
▼東京オリンピック・パラリンピック組織委員会元理事の高橋治之容疑者(78)が再逮捕され、
▼元理事の知人で、東京・中央区のコンサルタント会社代表深見和政容疑者(73)も共犯として逮捕されました。
東京地検特捜部はさきほどからKADOKAWA本社や角川歴彦会長の自宅、それに深見代表が経営するコンサルタント会社を捜索しています。
特捜部によりますと、芳原元専務らは東京大会のスポンサー選定などで便宜を受けたことへの謝礼などとして、2019年から去年までに高橋元理事に総額6900万円の賄賂を提供したとして、贈賄の疑いが持たれています。
芳原元専務らはKADOKAWAが2019年に大会スポンサーになった後、深見代表の会社の口座に10回に渡って総額7600万円を振り込んでいたということです。
KADOKAWAは、国内スポンサーとして3番目のランクの「オフィシャルサポーター」として、大会の公式プログラムやガイドブックなどの出版を手がけました。
特捜部は、4人の認否を明らかにしていません。
KADOKAWAの角川会長は、5日、報道陣の取材に応じ、コンサルタント会社に支払っていた資金について「元理事には渡っていないと思う」と述べた上で、賄賂の認識を強く否定しています。
また特捜部はスポンサー契約をめぐって紳士服大手の「AOKIホールディングス」側から総額5100万円の賄賂を受け取ったとして高橋元理事を受託収賄の罪で、AOKI創業者の青木拡憲被告(83)ら3人を贈賄の罪で6日、起訴しました。
関係者によりますと、高橋元理事は、起訴された内容を否定し、青木前会長は、不正を認めているということです。
-- NHK NEWS WEB