3倍巻きなど従来の製品よりも1ロール当たりが長く、取り替えの回数を減らせるトイレットペーパーが販売を伸ばしています。こうした商品の製造技術で特許を侵害されたとして、製紙メーカーどうしが裁判で争う事態となりました。
大手製紙メーカーの子会社、「日本製紙クレシア」は、1ロールの長さが従来の製品より3倍長いトイレットペーパーを6年前から販売していますが、ライバル関係にある大王製紙も従来の3.2倍の長さの製品をことし4月から販売しています。
日本製紙クレシアは6日、この製品が自社の特許を侵害しているとして大王製紙に対し、製造と販売の差し止めや3300万円の損害賠償などを求める訴えを東京地方裁判所に起こしました。
訴えでは、従来よりも長く紙を巻きながらも柔らかさを維持できる製造技術などの特許を侵害されたと主張しています。
3倍巻きなど、従来の製品よりも1ロール当たりが長いトイレットペーパーは、取り替えの回数を減らすことができ、家庭での保管スペースも少なくて済むことから販売を伸ばしています。
日本製紙クレシアでは、3倍巻きの製品がトイレットペーパーの売り上げの35%を占め、大王製紙でもこうした製品が売り上げの40%を占めるなど、各社の主力商品となっています。
今回の提訴について、大王製紙は、「訴状が届いていないのでコメントは控えたい」としています。
-- NHK NEWS WEB