東京オリンピック・パラリンピックのスポンサー契約をめぐり、出版大手KADOKAWAの元専務らが組織委員会の元理事に賄賂を提供したとして逮捕された事件で、賄賂とされる資金が振り込まれ、元理事とともに受託収賄の疑いが持たれているコンサルタント会社の代表が「受け取った資金はスポンサーになれたことの謝礼だと思った」などと周囲に説明していたことが関係者への取材でわかりました。
一方で「元理事に資金は渡していない」と説明していたということで、東京地検特捜部は会社の運営実態や資金の流れを調べているものとみられます。
出版大手KADOKAWA元専務の芳原世幸容疑者(64)らは東京オリンピック・パラリンピックのスポンサー選定などで便宜を受けたことへの謝礼などとして、組織委員会元理事の高橋治之容疑者(78)に総額6900万円の賄賂を提供したとして贈賄の疑いで6日逮捕されました。
この事件ではKADOKAWAから賄賂とされる資金が振り込まれた東京・中央区のコンサルタント会社代表深見和政容疑者(73)も元理事とともに受託収賄の疑いで逮捕されましたが、深見代表が逮捕前、「KADOKAWAがスポンサーになれるよう高橋元理事に紹介した。振り込まれた資金はスポンサーになれたことの謝礼だと思った」と周囲に説明していたことが関係者への取材で新たにわかりました。
一方で、「KADOKAWAからの資金は高橋元理事には渡していない」と説明していたということです。
東京地検特捜部は6日の捜索で押収した資料を分析するなどして会社の運営実態やKADOKAWAから支払われた資金の流れを詳しく調べているものとみられます。
関係者によりますと、高橋元理事は容疑について「身に覚えがない」などと説明し、不正を否定しているということです。
-- NHK NEWS WEB