南海トラフの巨大地震に備えようと、展望台付きの電波塔としては国内で最も古い名古屋市のテレビ塔で、昭和29年の完成以来初めてとなる大がかりな耐震工事が、再来年から進められることになりました。
名古屋市の中心部にある高さ180メートルの「名古屋テレビ塔」は、昭和29年に完成した国内で最も古い展望台付きの電波塔で、東京タワーなど、その後、建設されたタワーのモデルになりました。
アナログ放送の終了にともない、電波塔としての役目は終えましたが、いまも、年間およそ30万人の観光客などが訪れ、名古屋市内を一望できる景色や食事などを楽しんでいます。
その一方で、7年前に行われた耐震診断で、震度5強以上の揺れで傾くおそれが指摘され、運営会社は、再来年の1月ごろから、およそ20億円をかけて、初めての大がかりな耐震工事を進めることになりました。
工事では、基礎の部分などに免震装置をつけたり、4本の脚の一部をコンクリートで補強したりして南海トラフの巨大地震に備えることにしています。
展望台や飲食店などは、およそ1年間、営業を休止し、平成32年の夏に再開する予定です。
名古屋テレビ塔の若山宏常務は、「耐震強度の弱さを指摘されたため、対策をとることにした。大きな地震が来ても耐えられるようにして、いつまでも名古屋のシンボルであり続けられるようにしたい」と話しています。
-- NHK NEWS WEB