東京オリンピック・パラリンピックのスポンサー契約をめぐる汚職事件で、大会組織委員会の高橋治之元理事に賄賂を提供した疑いが持たれているKADOKAWAなどの企業がスポンサーの選定業務に関わる組織委員会の担当者の間で、「高橋案件」と呼ばれ、共有されていたことが関係者への取材で新たにわかりました。
東京地検特捜部は高橋元理事が組織委員会のスポンサー選定業務に強い影響力を持っていたとみて実態解明を進めています。
東京オリンピック・パラリンピック組織委員会元理事の高橋治之容疑者(78)は、スポンサー選定で便宜を図ったことへの謝礼などとして、出版大手KADOKAWAの元専務らから総額7600万円の賄賂を受け取ったとして受託収賄の疑いで6日逮捕されました。
また紳士服大手のAOKIホールディングス側からも総額5100万円の賄賂を受け取ったとして起訴されています。
スポンサーの選定をめぐっては、契約が結ばれたあと組織委員会の理事会に企業名が報告され、理事会が事前に関与することはなかったということです。
しかし、▽KADOKAWAと▽AOKIは選定に関わる組織委員会の担当者の間で、「高橋案件」と呼ばれ、共有されていたことが関係者への取材で新たにわかりました。
このうちAOKIについては高橋元理事がスポンサー候補として組織委員会に紹介していたほか協賛金の調整にも関与していたとみられていて、東京地検特捜部は元理事がスポンサーの選定業務に強い影響力を持っていたとみて実態解明を進めているものとみられます。
関係者によりますと高橋元理事はいずれの事件についても、不正を否定しているということです。
-- NHK NEWS WEB