アメリカの中央銀行にあたるFRB=連邦準備制度理事会が最新の経済報告を公表し、今後、需要のさらなる減速が見込まれ、将来の経済成長の見通しは「弱いまま」だと指摘しました。
FRBは7日、全米の12の地区連銀がまとめた「ベージュブック」と呼ばれる最新の経済報告を公表しました。
この中で景気の現状については前回、7月上旬の時点から経済活動が強まった地区と弱まった地区がそれぞれ5つあり全体として「横ばい」だと判断しています。
また記録的なインフレについてはすべての地区で食品の価格や家賃などが大幅に上昇しましたが、9つの地区ではある程度、物価上昇が緩やかになっていると報告されました。
一方、異例の利上げによって住宅ローンが上昇していて、すべての地区で住宅販売の減少が報告されたとしています。
そのうえで今後、半年から1年の間に需要のさらなる減速が見込まれ、将来の経済成長の見通しは「弱いまま」だと指摘しました。
FRBのパウエル議長は家計や企業に痛みをもたらしても記録的なインフレを抑え込むため利上げを継続する姿勢を鮮明にしています。
異例の利上げによってインフレを抑え込みながら本格的な景気後退を防ぐことができるかFRBにとって難しいかじ取りが続きます。
-- NHK NEWS WEB