東京オリンピック・パラリンピックのスポンサー契約をめぐり、組織委員会の元理事らが出版大手KADOKAWAの元専務らから賄賂を受け取ったとして逮捕された事件で、元理事の知人で賄賂が振り込まれたとされる会社の代表が逮捕前、「元理事の会社との取り引きでは契約書を作らず送金することもあった」などと周囲に説明していたことが関係者への取材で新たに分かりました。東京地検特捜部は元理事が密接な関係にある知人の会社を賄賂の受け皿にしていたとみて、実態解明を進めるものとみられます。
東京オリンピック・パラリンピック組織委員会元理事の高橋治之容疑者（78）は大会のスポンサー選定で便宜を図ったことへの謝礼などとして、出版大手KADOKAWA元専務らから総額7600万円の賄賂を受け取ったとして受託収賄の疑いで東京地検特捜部に再逮捕されました。
7600万円は元理事の共犯として逮捕された深見和政容疑者（73）が代表を務めるコンサルタント会社に振り込まれていましたが、深見代表が逮捕前、「元理事の会社との取り引きでは契約書を作らず送金することもあった。元理事が関係する案件で報酬を得た際は、毎回、半額程度を送金していた」と周囲に説明していたことが関係者への取材で新たに分かりました。
一方、容疑となったKADOKAWAからの資金については、「元理事には送金していない」と説明していたということです。
元理事は一時、この会社の役員を務めていたということで、東京地検特捜部は元理事が密接な関係にある知人の会社を賄賂の受け皿にしていたとみて、実態解明を進めているものとみられます。
関係者によりますと高橋元理事は容疑について、「身に覚えがない」などと説明し、不正を否定しているということです。
-- NHK NEWS WEB
