日野自動車の検査データの不正問題で、国土交通省は基準に適合していると確認されたエンジンを搭載した車の出荷再開は認めると発表しました。ただ大型トラックなど出荷再開の見通しが依然として立たない車もあり、顧客や取引先への影響は長期化が避けられない状況です。
日野自動車が排ガスなどの不正なデータをおよそ20年にわたり国に提出していた問題を受けて、国土交通省は不正行為は極めて悪質だとして9日に「是正命令」を出し、会社に対して、社内のチェック体制の強化や、組織風土の抜本的な改革などの再発防止策を1か月以内に報告するよう求めました。
一方で、国土交通省は立ち入り検査の結果、性能が基準に適合していると確認された7機種のエンジンを積んだ車や建設機械の出荷を認めると発表しました。
対象は、小型トラックや一部の中型トラックなどです。
会社は現在、自社のエンジンを搭載した国内向けのすべてのトラックで出荷を停止していますが、今後、出荷再開に向けて部品の調達などの準備を進めていくとしています。
しかし、車の生産に必要な認証が取り消されているエンジンを搭載した大型トラックやバスなどについては、出荷再開の見通しは立っておらず、トラックを使っている企業や取引先の部品メーカーなどへの影響は、長期化が避けられない状況です。
-- NHK NEWS WEB