地方鉄道を中心に運転士の確保が難しくなっているとして、国土交通省は鉄道で自動運転を導入する際の指針を初めてまとめました。踏切のある一般的な路線も想定し、運転士ではない係員が車両先頭部に乗務する日本独自の規格や技術的要件を示しています。
国土交通省は、人口減少などを背景に運転士の確保が難しくなり、経営が厳しい地方鉄道で深刻な問題となっているとして、一般的な路線への自動運転の導入を視野に検討会で議論してきました。
その結果、運転士が乗務する時と同等以上の安全性の確保を基本とした上で、鉄道での自動運転の導入に必要な技術的な要件を盛り込んだ初めての指針をまとめ、公表することになりました。
この中では、運転士が乗務しない自動運転のレベルの高いものから順に、
▼係員が誰も乗らない段階、
▼避難誘導などのための係員が乗務する段階、
▼係員が列車の先頭部に乗務する段階の3つを示しています。
3つ目は日本独自の規格で、踏切などがあり侵入対策が必要な路線でも大規模な設備投資をせずに自動化することを想定し、▽列車先頭部の係員が出発時の安全確認や、緊急停止操作なども行うとしているほか、▽技術面では自動列車停止装置の高度化などが必要だとしています。
一方、▼無人運転や▼係員が列車の先頭部にいない自動運転では、▽ホームドアや▽異常を検知する車両のセンサー、▽線路への立ち入り防止柵の設置などを例に、路線の状況に応じた総合的な安全確保が必要だとしています。
国土交通省は、今回の指針をもとに今後、鉄道会社などと、具体的なルール作りを進めることにしています。
-- NHK NEWS WEB