東京オリンピック・パラリンピックのスポンサー契約をめぐり、出版大手KADOKAWAの角川歴彦会長が贈賄の疑いで14日逮捕された事件で、KADOKAWAは、元理事の知人の会社への賄賂とされる資金の支払いについて、弁護士から違法な資金提供にあたる可能性があると指摘されていたことが、関係者への取材で分かりました。東京地検特捜部は、KADOKAWAの幹部が賄賂にあたる可能性を事前に認識していた疑いがあるとみて、詳しい経緯を調べているものとみられます。
出版大手KADOKAWAの会長の角川歴彦容疑者(79)は、東京オリンピック・パラリンピック組織委員会元理事の高橋治之容疑者(78)に、大会のスポンサー選定で便宜を図ったことへの謝礼などとして、総額6900万円の賄賂を渡したとして、14日、贈賄の疑いで東京地検特捜部に逮捕されました。
賄賂とされる資金は、2019年にKADOKAWAが大会スポンサーになったあと、元理事の知人で、受託収賄の疑いが持たれている深見和政容疑者(73)が代表を務める会社に支払われたことがわかっていますが、この支払いについて、社内で弁護士から「元理事への違法な資金提供にあたる可能性がある」と指摘されていたことが、関係者への取材で新たにわかりました。
その後、KADOKAWAから深見代表の会社には大阪・関西万博などのコンサルタント料として資金が支払われていて、東京地検特捜部は、知人の会社への支払いが賄賂にあたる可能性を事前に認識していた疑いがあるとみて、詳しい経緯を調べているものとみられます。
角川会長は逮捕前、取材に対し、不正を否定していました。
また関係者によりますと、高橋元理事は「身に覚えがない」などと説明し、容疑を否認しているということです。
-- NHK NEWS WEB