東京オリンピック・パラリンピックのスポンサー契約をめぐり、出版大手KADOKAWAの角川歴彦会長が、大会組織委員会の元理事に賄賂を提供した疑いで逮捕された事件で、KADOKAWAの社内文書に賄賂とされる資金の支払い方法について、元理事の関与をうかがわせる記載があったことが関係者への取材で分かりました。
東京地検特捜部はKADOKAWAが元理事の関わりを認識したうえで、不正な資金提供を行っていたとみて詳しい経緯を調べています。
関係者によりますと、角川会長と高橋元理事は調べに対し、いずれも容疑を否認しているということです。
出版大手、KADOKAWAの会長の角川歴彦容疑者(79)は、東京オリンピック・パラリンピック組織委員会元理事の高橋治之容疑者(78)に大会のスポンサー選定で便宜を図ったことへの謝礼などとして、総額6900万円の賄賂を渡したとして、14日、贈賄の疑いで東京地検特捜部に逮捕されました。
賄賂とされる資金は、元理事の知人で、受託収賄の疑いが持たれている深見和政容疑者(73)が代表を務める会社にコンサルタント料として支払われていたことがわかっています。
この支払い方法について、KADOKAWAが作成した社内文書に高橋元理事の関与をうかがわせる「T理事から」という記載があったことが関係者への取材で分かりました。
文書は、KADOKAWAの担当幹部が深見代表から依頼された内容をもとに作成したもので、特捜部もすでに入手しているということです。
特捜部は、KADOKAWAが元理事の関わりを認識したうえで、コンサルタント契約を装い、知人の会社に賄賂を提供していたとみて詳しい経緯を調べているものとみられます。
関係者によりますと、角川会長と高橋元理事は調べに対し、いずれも容疑を否認しているということです。
-- NHK NEWS WEB