同性愛や性同一性障害などLGBT=性的マイノリティーの人たち、およそ1万5000人が回答したアンケート調査で、半数以上が学校生活でいじめを経験し、そのおよそ7割が「先生はいじめの解決に役に立ってくれなかった」と思っていることがわかりました。
調査は、性的マイノリティーの子どものいじめに詳しい宝塚大学の日高庸晴教授が、生命保険会社の委託でインターネットを通じて行い、去年7月から10月までに10代から90代までのLGBTの人たち、およそ1万5000人が回答しました。
それによりますと、小学校から高校までの学校生活でいじめられた経験があると答えた人は58%で、このうち64%が「ホモ・おかま」など言葉によるいじめを受けたと答えました。
いじめに遭っていたとき、先生はいじめの解決に役に立ってくれたと思うかと尋ねると、14%が「そう思う」、68%が「そう思わない」、18%が「わからない」と答えています。
一方、これまでの学校生活で同性愛についてどのような情報を得たかについては、「一切習っていない」が68%、「否定的な情報を得た」が17%、「『異常』なものとして習った」が5%で、「肯定的な情報を得た」は8%でした。
日高教授は「LGBTの子どもは、いわゆる『男らしさ』、『女らしさ』から外れてしまうといじめに遭いやすい。先生たちが自分の教室にLGBTの子がいるかもしれないことや、いじめられる可能性があることを認識し、授業で取り上げたり、肯定的なメッセージを発したりすることが重要だ」と話しています。
-- NHK NEWS WEB