重症化リスクのない人も服用できるよう開発を進めている、新型コロナの飲み薬について、塩野義製薬は最終段階の治験で、発熱などの症状を改善する効果が確認されたと発表しました。この薬は承認をめぐって厚生労働省の審議会で継続審議となっていますが、会社は良好な結果が得られたとして、改めてデータを提出するとしています。
塩野義製薬は28日、開発を進めている新型コロナの飲み薬「ゾコーバ」について、最終段階の治験の結果を速報として発表しました。
それによりますと、治験は重症化リスクがない人やワクチンを接種した人を含めた、12歳から60代までの、軽症から中等症のコロナ患者1800人余りを対象に、ことし2月から7月中旬まで行われました。
この中で、1日1回、5日間「ゾコーバ」を服用するグループと、偽の薬を服用するグループに分けて、患者も医師もどちらが投与されているか分からない方法で比較した結果、「ゾコーバ」を服用したグループではせきや喉の痛み、鼻水・鼻づまり、けん怠感、発熱・熱っぽさの5つの症状すべてが7日前後でなくなり、およそ24時間短縮されたとしています。
また、投与を始めて4日目の段階で、ウイルスの量が大きく減少したほか、重篤な副作用はなかったとしています。
この薬について塩野義製薬は、重症化リスクのない人も服用できる初めての飲み薬として、緊急承認の制度を使って厚生労働省に承認申請しましたが、ことし7月の審議会では「有効性を推定できるデータが不十分だ」として、継続審議となっていました。
会社は治験の結果、良好な結果が得られたとして、改めて厚生労働省などにデータを提出するとしています。
-- NHK NEWS WEB