経済危機に陥り、対外債務の返済を停止しているスリランカのウィクラマシンハ大統領がNHKのインタビューに応じ、今後の債務再編に向けて債権国を集めた協議を日本に主導するよう求めたことを明らかにしました。
安倍元総理大臣の「国葬」への参列のため来日したスリランカのウィクラマシンハ大統領は28日、都内でNHKのインタビューに応じました。
経済危機に陥っているスリランカに対し、IMF=国際通貨基金は今月1日、中国や日本、それにインドなどとの間に抱える多額の債務の再編を行うことを前提に、4年間でおよそ29億ドルの融資を行うことで事務レベルでの合意に達したと発表しています。
これについて、ウィクラマシンハ大統領は「次の重要な段階は主要な債権国である日本、中国、インドと協議を行うことだ」と述べ、岸田総理大臣と会談し、今後の債務再編に向けて債権国を集めた協議を日本に主導するよう求めたことを明らかにしました。
そして、「今も多くの国民が危機に直面していて、一刻も早く通常の状態に戻さなければならない。日本とは長年友人関係にあり、より関係を強くしていきたい」と述べ、日本の協力に期待を示しました。
一方、中国企業などによる大規模な開発事業で国の借金を増やしたとして、ラジャパクサ前政権時代に批判されていた中国との関係については「必要があれば見直すが、今のところ大きな問題は生じていない」と述べるにとどまりました。
-- NHK NEWS WEB