札幌市は、この夏にも地下街で行うことにしていた人の顔の特徴などをカメラで読み取って、年齢層や性別を推定する装置の実証実験について、市民から不安視する声が多く寄せられたため中止を決めました。
この実証実験は、札幌市が地下歩行空間の一角で、ことし8月にも行うことにしていたもので、人の顔の特徴や動作などをカメラで読み取る装置を設置し、年齢層や性別などを推定するという内容です。
実験で市は、撮影した映像は保存せずプライバシーに配慮する一方、年齢層といった情報はいわゆるビッグデータとして民間企業に提供するなどして、ビジネスでの活用につなげたいとしていました。
しかし、市民から、プライバシーの侵害や個人情報の流出を不安視する声が多く寄せられたため、改めて市の内部で検討した結果、「市民の不安を解消できない」として中止を決めました。
これについて、札幌市の秋元市長は23日の会見で、「やりたいことがうまく伝わらなかった。いたずらに不安が生じない説明のしかたを心がけることが大切だ」と述べました。
-- NHK NEWS WEB