大手製薬会社「第一三共」の東京 品川区にある研究施設で、毒物に指定されている「アジ化ナトリウム」の所在が分からなくなり、会社が警視庁などに紛失の届け出を行ったことが分かりました。会社が保管状況などについて詳しく調査しています。
関係者によりますと先月、大手製薬会社「第一三共」の東京 品川区にある研究施設「品川研究開発センター」で、毒物に指定されている「アジ化ナトリウム」の入った容器がなくなっていることが分かったということです。
「アジ化ナトリウム」は体内に入ると血圧が急激に下がったり意識障害を起こしたりするなど極めて毒性が強く、会社では防腐材などとして使うため鍵の付いた冷蔵庫内で保管していたということです。
その後、社内調査が行われましたが見つからず、警視庁や保健所に紛失の届け出を行ったということです。
第一三共は「アジ化ナトリウムを紛失したことは事実で、詳しい経緯を調べている」と話していて、外部から第三者が侵入するなどした形跡が見られないことから、化学物質の保管状況などについて詳しく調査しています。
この施設をめぐっては、先月、薬品の開発などの業務にあたっていた研究員が、妻にメタノールを飲ませるなどして殺害したとして殺人の疑いで逮捕され、警視庁は職場からメタノールを持ち出した疑いもあるとみて捜査しています。
-- NHK NEWS WEB