北朝鮮が弾道ミサイルを相次いで発射する中、アメリカ政府は、海上で積み荷を移す「瀬取り」の手口で、北朝鮮に石油製品を密輸したとして、3つの団体と2人に対し、資産凍結などの制裁を科しました。
アメリカのブリンケン国務長官は7日、声明を出し、シンガポール人など2人と、マーシャル諸島の船舶関連会社など3つの団体に対し、北朝鮮への石油製品の密輸に関わったとして資産凍結などの制裁を科したと発表しました。
アメリカ財務省によりますと、密輸はシンガポール人の男が調整し、北朝鮮近くの海上で船の位置情報を発信する装置を停止させたうえで、海上で積み荷を移す「瀬取り」の手口で、複数回、北朝鮮側に石油製品を引き渡していたということです。
また、少なくとも1回は、北朝鮮西部のナンポ(南浦)の港に、直接、石油製品を運び入れていたということです。
国連安保理の決議は、北朝鮮に対し、輸入できる石油製品の量を年間50万バレルに制限したうえで「瀬取り」を禁止していますが、密輸は後を絶ちません。
ブリンケン長官は、声明の中で「北朝鮮の兵器開発を直接支援する行為だ」と非難したうえで、責任を追及する構えを強調しました。
-- NHK NEWS WEB