昨年度、従業員への残業代などが支払われていないと労働基準監督署から指導を受け、さかのぼって100万円以上支払った企業が1000社余りに上ったことが分かりました。
時間外や休日の労働は法律で割増賃金の支払いが義務づけられていて、労働基準監督署の調査で未払いが発覚した企業は指導を受け、それでも従わない場合は罰金などが科せられます。
厚生労働省によりますと、昨年度、未払いがあると指導を受け、従業員にさかのぼって100万円以上の残業代を支払った企業は1069社に上りました。
このうち1000万円以上を支払った企業は115社あり、中にはすべての従業員をあわせた支払いが3億7100万円に上った企業もありました。
支払われた残業代の総額は65億781万円でした。
残業代の未払いは、パソコンの使用時刻が勤務時刻とあわないことなどがきっかけで発覚し、従業員が評価が下がるのをおそれて残業時間を過少に申告している例なども確認されたということです。
厚生労働省は「指導を受ける企業数は減少傾向となっていて、働き方改革が進むなかで企業が労務管理を意識し始めていることが背景にあると考えられる。一方で、まだ是正されていない企業に対しては、適切に指導していきたい」としています。
-- NHK NEWS WEB