日産自動車は、ロシアによるウクライナ侵攻の長期化で、生産再開の見通しが立たないとして、ロシア事業から撤退すると発表しました。撤退に伴いおよそ1000億円の損失を計上する見込みです。
日産自動車はウクライナへの軍事侵攻の影響で、部品が調達できないなどとして、ことし3月からサンクトペテルブルクの工場の稼働を停止していましたが、発表によりますと、今も生産再開の見通しが立たないということです。
このため、日産は工場を運営する現地法人の株式すべてを、ロシアの政府機関に1ユーロで譲渡し、ロシア事業から撤退することを決めました。
この工場は2009年に稼働を始め、年間およそ4万5000台のSUV=多目的スポーツ車を生産していましたが、生産設備に加えて、およそ2000人の従業員の雇用も政府機関に引き継がれるということです。
日産はロシアからの撤退に伴い、日本円でおよそ1000億円の特別損失を計上する見込みだとしています。
日本の自動車メーカーの間では、トヨタ自動車がサンクトペテルブルクにある工場の閉鎖を決めたほか、マツダもウラジオストクにある工場での生産を終了する方向で、合弁相手の現地企業と協議に入るなどロシアのウクライナ侵攻で現地でのビジネスの見直しを余儀なくされています。
-- NHK NEWS WEB